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すべてのお父さんお母さんへ

推薦のことば

各地、各分野で活躍されているTriple Pの認定ファシリテータや理事からの推薦のメッセージです。

【理事より】
理事長 柳川敏彦 (和歌山県立医科大学 保健看護学部 教授)
トリプルP教材
初めてトリプルPに接したときの印象は、非常に分かり易く実践的な内容に加えて、母親自らが子育てを考えるというもので、「まさしく目から鱗が落ちた」思いでした。そしてより詳しく学んでみようと思ったきっかけは、プログラムの有用性がエビデンスに基づき検証されていることと、何よりも設立者サンダース教授の温かい人柄に触れたことです。皆さん、一度覗いてみませんか?

「児童虐待予防のための地域ペアレンティング・プログラムの評価に関する研究」-「前向き子育てプログラム(トリプルP)」の有用性の検討 -
柳川俊彦、平尾恭子、加藤則子、北野尚美、上野昌江、白山真知子、山田和子、家本めぐみ、庖丁高子、志村光一、梅野裕子
子どもの虐待防止とネグレクト(JaSPCAN) vol11,No1,通巻25,pp54-68(2009年4月 研究報告)
副理事 加藤則子 (十文字学園女子大学 人間生活学部 幼児教育学科 教授)
トリプルP教材
核家族化が進み、コミュニティーが崩壊してゆくなかで、育児文化の伝承が難しくなり、わが子の子育てをどうしていいか分からない親が増えています。トリプルPは、具体的な育児の技術を分かりやすく学べるので、悩める親にとって助け舟となります。トリプルPの講座を受ける方々の中には、地域で母子保健活動を実践している保健師さんも多いですが、トリプルPですることは、私たちが子育て支援の日常業務で実際やっていることが多いとよくおっしゃいます。これには勇気づけられます。日本の育児文化の中で伝承されて来たものと、トリプルPの間に矛盾がないので、無理なく日本で進めてゆけると確信できるからです。
 トリプルPは、客観的な評価指標を兼ね備えていますので、介入研究として成り立ちます。この研究に関して、文部科学省や厚生労働省からの研究助成を受けております。
 トリプルPは、噛めば噛むほど味が出てくる、奥の深いものです。私の理解が深まれば、さらにお伝えしたいことが増えてゆくと思います。一人でも多くの先生方とご一緒に学んで行けたら幸いです。

「子どもと家族のこころのサポート(証拠に基づく地域アプローチ)」 親子保健・学校保健(1) 加藤則子
第55巻 公衆衛生誌 第3号 2008年3月15日

「前向き子育てプログラム(Positive Parenting Program;Triple P)による介入効果の検証」石津博子、益子まり、藤生道子、加藤則子、塩澤修平
小児保健研究 第67巻 第3号, 2008.5(487〜495)




【Triple P 認定ファシリテータより】
白山真知子 (フラハ大阪心理発達レジリエンス研究所 主宰)
私が摂津市でトリプルPを取り入れようとしたきっかけは、ある小学校の一年生の学級崩壊に端を発しています。学校の先生方と、学級崩壊の火種になっている子やクラスの子ども達の背景を探っていくと、実に叩かれたり、口での暴力で育てられている子が多数いることが分かりました。しかし、親に暴力によらない子育てをどう身に付けてもらうのか途方にくれる思いがありました。
 また一方、地域子育て支援センターや家庭児童相談室の日々の相談活動の中で、「育児不安」や「子育て困難」『言うことを聞かないので、どうしても叩いてしまう』と不安そうに訴える人が多く見られます。しかし、この中には、親の深い問題があるというより、子育ての方法が伝承されてなく、子育てスキルを身に付けられるだけで多くのことが解消されると思えるケースも少なくありません。この様な中、母親が自分に合った子育てスキルを着実に身に着け、前向きになれるトリプルPに出会い「これだ!」と思い、このプログラムを導入しました。
 摂津市では、既に70人位のお母さんにトリプルPを受講いただいています。この中に度々火遊びをし、危うく火事になりかけるため、始終怒っていなくてはならず、子育てが辛いものになっていたお母さんが学校の先生の強い勧めでトリプルPに参加されました。子どもの褒め方を学び、怒らずに子どもとルールを決めたりすることで、子どもが言うことを聞いてくれるようになる。すると夫からも「お前この頃変わったな!」と言ってもらい、少しずつ自信を取り戻せるようになられました。母が変わると子どもが変わり、また母が変わる…という良いサイクルになっていきました。後日、学校長から、「お母さんがトリプルPに参加されてから子どもがすごく変わった」と担任から報告をうけ、お礼の電話を頂きました。摂津市では、トリプルPを受講した母親たちの変化を目の当たりにした教師や保育師など10人が養成講座を自費受講し、資格をとっています。あるファシリテータの保育所長は、「園で母親向けグループワークを実施しないものの、トリプルPを使って母親の悩みに答えたり、日々の保育にも利用できていて、すごく有効活用させて貰えている。」と言われています。
小澤礼美 (横浜市 こどもの木クリニック 小児科医)
小児科医として日々、様々な親御さんとお子さんに会い、診療する中で、育児不安が強いお母さんや、子どもを扱いかねてストレスを感じているお母さんと出会うことが少なくありません。しかし、限られた時間でお母さん達の悩みに応えることも簡単なことではなく、しかも他人の家の“しつけ”に意見をするということほど難しいことはありません。そんな状況の中、私はトリプルPに出会いました。
トリプルPは、臨床心理学という学問的な立場から30年以上の研究と実践の上に作りあげられた分かりやすい親支援プログラムです。体系だった実践的なトリプルPのスキルは、親御さんたちに説明するときに非常に好評です。また私自身の診療スタイルも大きく変わり、自信を持って、親御さんやお子さんのサポートをできるようになったと感じています。沢山の親御さん、子どもに関わる様々な職種の方に知っていただき、より大きな効果を出していって欲しいと願っています。